So-net無料ブログ作成

食品と健康―3

あっという間に年末になりました。これで今年の最後のブログ原稿になります。

皆さんにとって良い年だったでしょうか[exclamation&question]来年はどのような年になるのか私は楽しみです[眼鏡]

winter.gif


さてこのシリーズもこれで最後です[手(パー)]
このシリーズの最初の書き出しに戻って考えてみましょう。
どうして潰瘍性大腸炎と多発性硬化症の二つの自己免疫病が増加しているのでしょうか[あせあせ(飛び散る汗)]
潰瘍性大腸炎の発症する年齢は若年化しています。

食事の西洋化などが叫ばれていますが果たしてそうでしょうか[exclamation&question]

ここでは私の説を紹介しましょう[ひらめき]
自己免疫病のモデル動物を作成する時、当然その抗原となる蛋白等を免疫するのですが、無菌マウス(腸内細菌がいない)にいくら免疫をしても自己免疫病は発症しません
即ち、腸内細菌がいないと発症しないのです[exclamation]


最近では、Th17細胞(自己免疫を増強する)や調節性T細胞(自己免疫を抑制する)を誘導する腸内細菌がマウスで同定されています(Ivayol et al cell 2009 Atarashi et al science 2011


面白いことに、私たちの免疫は自分のお腹に住んでいる菌によって左右されるのです[目]

一つの可能性として、日本人のお腹に住んでいる腸内の細菌が変化したからこの二つの自己免疫病が増加したのではないかとも推察できます[目]
アメリカでは腸内細菌の網羅的解析が解析されています[手(パー)]


そこで高田らは、多発性硬化症のモデルマウスにおいてビフィズス菌を投与して軽快するかどうか調べました[眼鏡]
発酵ソーセージのスタータ-カルチャーに使用 されているPediococcus acidilactici(R037)というグラム陽性球で症状の緩和が確認されました。

この菌は
IL-17という炎症性サイトカインを抑制し、症状を緩和させることが明らかになりました[exclamation×2]
(The Lactic Acid Bacterium Pediococcus acidilactici Suppresses Autoimmune Encephalomyelitis by Inducing IL-10-Producing Regulatory T Cells. PLoS ONE 6(11): e27644. doi:10.1371/journal.pone.0027644)



発酵食品は西洋と東洋では大きく異なります[あせあせ(飛び散る汗)]

パン、ワイン、チーズ、ヨーグルトなは西洋の発酵食品ですね。
日本古来の発酵食品といえば、味噌、醤油、漬物、納豆、梅干しなど数えればきりがないほど沢山あります。
hakkou.gif
しかし、減塩が叫ばれた時代に、塩分の多い漬物は徐々に減少し、今は発酵切り捨ての立場で、サラダ感覚の漬物になりました。

また、味噌にも防腐剤が入っています。ぶくぶくと泡を吹く漬物は消えつつあるのです[たらーっ(汗)]
どこの家にもあった糠床も消失しました[バッド(下向き矢印)]



最近の若いヒトの腸内には、昔のような細菌は住んでいないのでしょう[ふらふら]

私はこの日本の伝統的発酵文化の消失こそが、この二つの自己免疫病、更には大腸癌の増加を招いたと考えています。

ヒトゲノムを探索するのも結構ですが、私たちと長年連れ添った腸に住む仲間の研究をすることも重要ではないでしょうか[exclamation×2]





nice!(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。